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蝙蝠山に吹く風は、

映画・ドラマ・アニメ・本の感想と福山市を中心にラーメン店巡り中

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「ムーンライト」 感想 

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これほど自らの映画読解力の無さを悔やんだ映画はない。まず予告編の時点でいまいちどのような映画なのかが理解することが難しい。

この映画の映像は、このポスターのように美しかった。

内容は、ムーンライトというタイトルの通りにもの凄く淡く描かれていると感じた。月明かりに照らされて浮かび上がるゲイの黒人の物語といったふうであろう。

悲惨で目も当てられないということはまったくなかった。R15+ということもあり警戒していたのだがまったくそんなことない。どのシーンがダメだったのだろうか? という気にもなる。おそらく夢の中のシーンと殴られる所だろうか? そこまでエグい描写だとは思わなかった映画ドラマを見ているとこれぐらいのシーンは山ほどある。扱っているテーマは重いものであるのにやはり淡い。

ただ思うことは、日本人にとってはしょせん遠い世界の話で共感しにくいということである。政治的な情勢に左右されがちと言われるアカデミー賞の作品賞を受賞した作品であるが、日本人に取ってはこの作品が訴えかけることを身近なものとして感じることはできないと思う。もの凄くはまる人とダメな人に別れる作品ではあるが「ラ・ラ・ランド」のほうが素直に楽しめる映画だった。

主人公の母の演技が個人的には素晴らしかったと思う。あの嫌な笑い声が耳に残って見てるほうも嫌な気分になるほどだ。貧困の連鎖というのであろうか。悲しい連鎖の一部を見ているように感じた。

「あの子の歩き方見た?」、という台詞があったが、この台詞が出るまでまったくわからなかった。どういう話なのかは、さすがに調べて見に行っているのでLGBTの映画であることはわかっていたが露骨な描写はその時まで無かったので気づかなかった。私の読解力がないだけかもしれないけれども……。

突然筋肉質になる主人公には驚いた。カットされているが少年院では一体なにがあったのだろう? そういう所を描かない所もこの映画のぼんやりしている部分だと思う。

ここで、フト、ポスターを見てみると「あの夜のことを、今でもずっと、覚えている」、とある。それを踏まえ、時間をあけて再び見てみたい映画だと思う。

「うわ! 面白かった! もう一度見に行こう!」という映画では決してないけれども。見たあとに「良い映画を見たなあ」という気分にはさせてくれるそんな映画であった。レイトショーで見たこともあり、映画館から出たあとに見えた月がとても美しかった。月の光によって青く輝く黒人少年はスクリーン上だけではなく、この世界にはいるのであろう。