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坂木司「シンデレラ・ティース」感想

 

シンデレラ・ティース (光文社文庫)

シンデレラ・ティース (光文社文庫)

 

歯科医院を舞台にしたお仕事系謎解き小説。

ほとんどの歯医者という場所には、良い思い出というものがまずないと思う。

なぜならだいたい歯が痛い時に行く上に治療もかなり痛い。

歯の神経を抜くほどの大虫歯をしたとき、親知らずを抜いたとき、というのが一番痛かった思い出である。特に神経抜いた時が一番痛かった。そのとき通った歯医者というのが待たなくても良いけれども老院長で昔気質な先生だったので死ぬかと思った記憶が残っている。親知らずは、左側2本は抜いたけれどもあまりにも痛かったので右2本は抜かずに残してある。いつか抜かないといけないのだが、その決心は未だつかないでいる。多分抜いたら、もう歳だからうまく穴が埋まらないんじゃないかと思う。親知らずを抜く必要がある人はお早めに。

この小説もそんな歯医者の記憶のせいで歯医者嫌いになった女子大生が主人公である。

歯科治療恐怖症というのは医学書にも載っている病気らしい。それほどまでに歯科治療によって恐怖を刻み込まれる人は多いのだろう。削ってばっかりの歯科治療が引き起こした問題であろう。歯科治療の発展を祈る。歯そのものよりも歯肉のほうに問題がある人が目立つ気がするのは歳を取ったということなのだろうか。小中学校の集団歯科検診が懐かしく思えていく。あのときに戻って歯は大切だぞ、元に戻らないんだぞ、と当時の自分に伝えてやりたいぐらいだ。

歯科医院ならではの謎と、その解決方法に感心するばかりであった。

そしてよくこんな話を思いつくものだとプロの力量を思い知ったのである。

ただ実際に歯科医療に従事している人から見ると物足りないらしい。

歯医者にかかるだけの私のような一般人から見るとどこがそうなのか、まったくわからなかったので多くの人にとっては楽しく読むことができると思う。