蝙蝠山に吹く風は、

映画・ドラマ・アニメ・本の感想と福山市を中心にラーメン店巡り中

広告

小山 洋典「あなたの未練、お聴きします。」 感想

 

あなたの未練、お聴きします。 (マイナビ出版ファン文庫)

あなたの未練、お聴きします。 (マイナビ出版ファン文庫)

 

小説家になろうから、書籍化された作品です。

小説家になろうで「出版前夜祭 ~超低ポイント作者が、商業作家になるまでの体験記~」というエッセイを見かけたことをきっかけでこの小説を知りました。

この本が出版されるまでの経緯が記されているので是非読んでみてください。

WEB版から8割ほど書き下ろしを追加したのが、この書籍版のようです。

さてこの小説の内容は、未練を残して死んだため天上に送られない魂に、カウンセリングをして未練を解消する。エージェントと呼ばれる職業見習いである主人公の実地研修の話です。

この主人公達は、人間界と天上の狭間に存在する天使のような存在のようです。

もうちょっとその辺りの設定が欲しかったかなぁ。惜しい気がします。

あんまり設定つけるととんでもなく重苦しくなってしまったりしそうです。「死役所」みたいに全員元死刑囚とか。

それとも、ライト文芸というよくわからない位置づけで出版されているのでこれぐらいで良いのだろうか……。

文芸とライトノベルの中間ということだとは思います。一般文芸とライトノベルの境目がどこかなのかについては、ただでさえ論争が巻き起こりますから定義が難しそうです。

主人公の名前は、遊馬と書いて「ゆま」ということにこだわりを持っていることが上記のエッセイから伝わりましたが、頭の中ではやはり「ゆうま」としか読めないよなぁ、と読んでいてまず思いました。終始「ゆうま」と読んでいたらしい編集さんの気持ちがよくわかります。

異世界もの以外にも小説家になろうから書籍化ってできるのだなぁ、ということがわかる作品でした。だからこそ、見る目が厳しくなってしまう小説でもありました。

うーん。それでいいのか? ということが、終始どうも付きまとってきてしまうような気がします。きっと先に出版経緯エッセイを読んでしまったせいですね。

 あとがきには、目指したのはベストセラーでも名著でもなく小粒な佳作、と書いてありました。曰く、「佳作」と呼ばれる作品こそ心に深く残るものであるから。

最初から佳作を狙うと佳作にもなり得ないのではないか? と、私は思うのですが、それはまぁ人それぞれですよね。