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蝙蝠山に吹く風は、

映画・ドラマ・アニメ・本の感想と福山市を中心にラーメン店巡り中

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森見登美彦「夜行」 夜行列車、百鬼夜行、夜を題材とした怪談

 

夜行

夜行

 

帯には森見登美彦10年目の集大成とあった。

そしてこの作品にも10年という数字が現れる。

10年前、鞍馬の火祭で長谷川という女性が消えた。(おそらく表紙はこの長谷川さんであろう)そして10年後再び鞍馬に集まったという話であり、その中で皆出会っていた「夜行」という連作の絵を巡る怪談である。

尾道」「奥飛騨」「津軽」「天竜峡」「鞍馬」という日本各地の場所と共に怪談が語られる。尾道が身近なので尾道の雰囲気を上手く出せていると感じた。そうなると他の場所も見事に表現されているのだろう。

そしてこの作品には夜行列車が登場する。

今乗ることができる夜行列車と言えばサンライズ出雲瀬戸ぐらいなので夜行列車というだけで何か特別な物に思える。

夜行列車に乗りながらこの作品を読むことはおすすめしない。

きっと滅茶苦茶怖くなって窓の外に燃える家と手をふる女性を見つけてしまいそうになってしまうに違いない。

夜の闇に今そこに居た人が、ふと闇に溶けて居なくなってしまいそうな雰囲気がする作品であった。映像化はとても無理であろう。これこそ小説ならではの表現だと思う。